2004.01.03

文献アーカイブス('68~)

小川紳介と小川プロダクション、およびその作品について書かれた文章を掲載する書籍、雑誌、小冊子の中から、1968年~1974年に刊行されたものを紹介しています。

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映画は生きものの記録である

小川プロ製作の『パルチザン前史』で監督を務め、また水俣を記録した一連の作品で知られる土本典昭監督の著作。おもに1970年から1973年にかけて各媒体に発表されたエッセイや、シナリオ、映画論などを集成。

そのひとつに『三里塚――第二砦の人々/小川紳介・小川プロ私論』と題された文章を収録。サブタイトルが示唆するとおり『第二砦』作品論ではなく、『第二砦』までの小川紳介と小川プロの足跡、映画手法などについて言及。その論を展開する。

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土本典昭著 1974年6月発行(未来社)

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三里塚レポートNO.4 辺田部落日録'71.9~'72.11

『三里塚・辺田部落』が、どのような状況の中で撮影されていったのかを、撮影開始の4カ月前の時点から克明に記録した日録。青年の自死、公団の攻撃、反対派メンバーの翻意。様々な苦難に直面しながらも、闘争を続ける農民たちの姿がリアルに伝わってくる。文責は小川プロスタッフの湯本希生。

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1973年5月発行(小川プロダクション)

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美術手帖 1972年7月号

1972年5月9日、アテネ・フランセ文化センターで上映された『圧殺の森』。その後の討論会で行われた小川紳介のロングインタビューをひとり語りの形で収録。その内容を平行して邦和彦が解説。

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1972年7月発行(美術出版社)

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映画批評 1970年12月号

「小川紳介・闘争と脱落」と題する映画監督、大島渚の批評を掲載。「長い間、私は小川紳介と小川プロダクションの活動に敬意を抱いて来たのだった。一本の映画も見ずに。そう。一本の映画も見ることなく。」と擁護しながら、映画評論1968年3月号に掲載された評論家、松田政男の『現認報告書』批判について根本的な疑義を提示。

「『現認報告書』についての人びとの批判はおそらく正当なものであろうと私には読み取れたが、折角『圧殺の森』を讃めたのにこんなひどい作品をつくってというような評者の態度、一喜一憂する態度は断乎許せなかったのである。理由は後で述べるが、『圧殺の森』がよかったのだったら、『現認報告書』は悪くて当たり前なのだ。そんなことは『現認報告書』を見る前にわかっていなければならないのだ。それがわかってないとしたら、『圧殺の森』が何故良かったのかについても何一つわかってはいなかったということになる。」(本文より)

「私が『圧殺の森』を見ずに、それについての情報と評言だけで、小川紳介は信頼に値する作家だと考えた理由について述べなければならないだろう。(略)『圧殺の森』をとった小川の方法が、記録映画の初心にかえり、記録映画の原則にかなっていると思われたからである。記録映画の初心、記録映画の原則とは何か。それは一つは記録する対象への愛、強い関心、執着であり、今一つはそれを長期にわたって行うということにほかならない。(略)このように考えれば、短期間で撮った『現認報告書』が『圧殺の森』に劣るのは見る前からわかる筈である。先にもいったが、それがわからなかった奴は『圧殺の森』を見ても何もわからなかった奴である」(本文より)

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1970年12月発行(新泉社)

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キネマ旬報 1969年4月上旬春の特別号

特集「〈日本映画監督研究〉小川紳介」にて、二篇の評論を掲載。一篇は佐藤忠男の「行動的ドキュメンタリストの登場」、もう一篇は河原畑寧の「変革の映画作家・小川紳介素描」

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1969年4月発行(キネマ旬報社)

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映画評論 1969年1月号

採録シナリオ『日本解放戦線・三里塚の夏』を収録。「『日本解放戦線・三里塚の夏』とりあえず第一部について」と題する小川紳介のコラムも掲載。

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1969年1月発行(映画出版社)

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映画芸術 1968年11月号

「小川紳介という男」と題する1頁の人物評を収録。筆者は『パルチザン前史』や、水俣を記録した一連の作品で知られる土本典昭監督。

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1968年11月発行(映画芸術社)

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情況 1968年10月号

「特集・農民叛乱――成田・砂川の闘い」内に、「カメラは武器たり得るか――インタビュー『日本解放戦線・三里塚の夏』」を収録。

「三里塚闘争への基本的視座」「表現の極限とは何か」「たたかいこそ表現の自由」などを主題に、『三里塚の夏』を完成させたばかりの小川紳介が、評論家、仙波輝之を聞き手にその思想を語る。

なお、本書に収録されている小川紳介のインタビューの冒頭一部分を抽出・構成した文章が『映画を穫る・ドキュメンタリーの至福を求めて』(筑摩書房)に再録されている。

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1968年10月発行(情況社)

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映画評論 1968年3月号

「『現認報告書』とその周辺の問題」と題する映画評論家、松田政男の批評を掲載。「小川紳介をはじめとする『現認報告書』の記録者たちの意図は高く評価されねばならなぬとしても、その実現された結果である十六ミリ・六十分の画面は、(略)問題をはらんだ失敗作としてしか言いようのない代物」と批判。「極端にいえば、私はこういう作品とつきあって評語の一つ二つを書き留めるほどヒマ人ではない、と怒鳴りつけたくなる」と断じる。

また、採録シナリオ『圧殺の森・高崎経済大学闘争の記録』も収録。

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1968年3月発行(映画出版社)

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